「グローバルノース vs グローバルサウス」―世界は今どう分かれているか?


みなさん、こんにちは😊

冷戦が終わって世界が一つになる――そんな期待が語られたのは、もう30年以上も前のこと。しかし2020年代に入った今、私たちは改めて**「世界は一つではない」**という現実を突きつけられています。

貿易、気候、移民、安全保障、テクノロジー…国際社会のあらゆる場面で、「グローバルノース」と「グローバルサウス」という構図が浮かび上がってきています。

でもこの言葉、なんとなく聞いたことはあっても、**一体どこがノースでどこがサウス? 何を意味しているの?**という疑問も多いはず。

今回は、現代の国際関係を読み解くカギとなる「グローバルノース vs グローバルサウス」という構図を、じっくり見ていきましょう。


🧭 まず、「ノース」と「サウス」ってどこ?

✔️ グローバルノース(Global North)とは?

  • 一般的には、先進工業国とされる国々

  • ヨーロッパ諸国、アメリカ、カナダ、日本、韓国、オーストラリア、ニュージーランドなど

  • 高所得、高い教育水準、強い政治的・経済的影響力を持つ国々

✔️ グローバルサウス(Global South)とは?

  • 発展途上国や新興国とされる国々

  • アフリカ、中南米、アジア、太平洋諸島などの多くの国々

  • 経済格差、インフラの未整備、政治的不安定さなどの課題を抱える一方で、成長潜在力が高い地域

🌏つまり、「北」と「南」といっても、実際の地理ではなく、経済力や国際的な立場の違いを意味しているのです。


💥 なぜ対立構造が浮き彫りになってきたのか?

🔹 ① 新たな国際秩序の模索

冷戦時代は、アメリカ vs ソ連という明確な2極構造でした。しかし今は、米中対立を軸にしつつも、インド・ブラジル・南アフリカ・トルコ・インドネシアなど、中間的な立場を取る国々が独自の影響力を強めています。

これらの国々が主張するのは、

「西側がつくったルールに、なぜ私たちが従わなければならないのか?」

という問いかけ。国際機関(国連・IMF・WTOなど)における発言権の不均衡も、不満の火種です。

🔹 ② 気候変動をめぐる「不公平感」

気候変動対策では、グローバルノース諸国が「脱炭素」を強く求めますが、グローバルサウスの国々からすれば、

「環境を壊したのは先進国。私たちはまだ経済成長の初期段階なのに、同じ制限を課すのは不公平では?」

という声が出てきます。

インドやアフリカ諸国では、再生可能エネルギー導入の支援とセットでない限り、協力には慎重な姿勢も目立ちます。

🔹 ③ ウクライナ戦争と「非同調主義」

ロシアによるウクライナ侵攻に対し、アメリカ・EU・日本などは厳しい制裁を科しましたが、多くのグローバルサウス諸国は中立的な立場を維持しています。

彼らの論理はこうです:

「欧米の戦争には敏感なのに、私たちの地域で起きている紛争や飢餓には冷淡ではないか?」

実際、アフリカ連合やASEANでは、**「自国の利益を第一に考える現実主義」**が広がっており、西側と足並みを揃えることは必ずしも前提ではなくなっています。


🌱 グローバルサウスの台頭―「沈黙する多数派」から主役へ?

  • かつては「支援される側」「声の小さい側」と見なされていたグローバルサウスですが、21世紀に入り、人口・資源・経済成長率などで世界の中心になりつつあります

🌍 データで見るサウスの力

  • 世界人口の**約85%**はグローバルサウスに住んでいる

  • 若年人口の多さ=将来の消費・労働力の中心

  • 資源の多くは南半球に集中(リチウム、コバルト、石油、希土類など)

BRICS(ブラジル・ロシア・インド・中国・南アフリカ)を中心に、**「脱西側」「脱ドル化」「自前の国際秩序づくり」**が進行中です。


🇯🇵 日本の立ち位置は?

日本は経済的にはグローバルノースに属していますが、近年はアジアやアフリカ諸国とのパートナーシップを強める外交戦略をとっています。

たとえば:

  • TICAD(アフリカ開発会議)

  • 東南アジア諸国へのインフラ協力

  • グローバルヘルス(感染症対策)支援

日本にとって、グローバルサウスとの信頼関係は、地政学的にも経済的にも極めて重要な意味を持つようになってきています。


✍ まとめ:「分断」の時代をどう生きるか?

「グローバルノース vs グローバルサウス」という構図は、単なる政治的対立ではありません。

それは、

  • 誰がルールをつくるのか?

  • 誰の声が国際社会で届くのか?

  • 誰が未来の成長の担い手なのか?

という、国際秩序の根本に関わる問いでもあります。

これからの世界は、白か黒かではなく、多様な価値観や利益をどう調整するかという**“対話の時代”**に入っていくでしょう。

私たち一人ひとりも、偏った見方ではなく、グローバルノース・グローバルサウス双方の声に耳を傾けていくことが大切かもしれません。

今日も読んでくださってありがとうございました😊

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