世界の貧困は本当に減っているのか?


みなさん、こんにちは😊

「グローバル化が進んだ今、世界はどんどん豊かになっている」
そんなフレーズを聞いたことがある方も多いと思います。

特に国際機関や政府の報告では、

「1日2.15ドル以下で暮らす“極度の貧困層”は、過去30年で大幅に減った」

というデータがよく取り上げられます。

でも――本当にそうでしょうか?
数字の“からくり”はない?
相対的な貧困は?
世界の分断はどうなってる?

今回は、「世界の貧困は本当に減っているのか?」という問いを、
データと現実、そして私たちが見落としがちな視点から考えてみましょう。


📉 「極度の貧困」は確かに減った

まずは国際的に使われている定義から👇

✅ 極度の貧困とは?

  • 世界銀行の基準では、1日2.15ドル(2022年時点)以下で暮らす人々

✅ 減少の推移(おおまかな流れ):

世界の極度貧困率(%)
1990年約38%
2000年約27%
2010年約16%
2019年約8.5%

このように、過去30年間で10億人以上が極度の貧困から脱したと言われています。

特に成果が大きかったのは👇

  • 中国(都市化と製造業ブーム)

  • インド(IT産業・農村部支援)

  • 東南アジア諸国(インフラ投資と経済成長)

つまり、「数字」だけを見れば、世界は確かに貧困から脱しつつあるように見えます。


❓ でも、こんな疑問ありませんか?

💬 「たった1日2.15ドルって現実的?」

その通り。
これは最低中の最低ラインです。

たとえば:

  • 1日3ドル稼げても、都市部では全く足りない

  • 医療や教育が高額な国では、2ドルでは何も買えない

  • 食料価格が高騰すれば、すぐ“極貧”に戻る

→ 極度の貧困ラインを超えたからといって、「豊かになった」とは言い切れないのです。


🧮 相対的貧困と「見えない貧困」

✅ 相対的貧困とは?

ある国・地域の中央値所得の50%未満で暮らす層
先進国でも問題になっています。

たとえば👇

  • 日本:7人に1人が相対的貧困(子どもの貧困も深刻)

  • アメリカ:ワーキングプアやホームレス問題が拡大

  • ヨーロッパ:移民・難民の貧困が増加

→ 経済成長しても、「格差」や「取り残される人」は消えていない


📦 貧困の質が変わった?

昔のような「飢え死に寸前の貧困」は減った一方で、
現代の貧困は、もっと複雑で“見えにくい”ものになっています。

👀 例えばこんな状況:

  • 電話もスマホも持っているけど、医療費が払えない

  • SNSで自分を装っているけど、家賃がギリギリ

  • 学校には行っているけど、給食以外にちゃんと食事がない

→ テクノロジーや見た目では「普通」に見えるけれど、生活は不安定で脆い


🌪️ 新たなリスク:気候変動・戦争・パンデミック

せっかく貧困から抜け出した人々が、再び貧困に戻る「逆流」現象も起きています。

📌 その原因は:

  • コロナ禍で職を失った都市の労働者

  • 気候変動で農作物がとれなくなった農民

  • ウクライナ戦争で燃料・食料価格が高騰したアフリカ諸国

  • ガザやスーダンなど、紛争地域で家も学校も奪われた人々

一度脱したはずの貧困に、また引き戻される人たちがいるのです。


💰 富の集中と「上位1%」問題

国レベルでは「貧困が減った」とされても、個人レベルで見ると富の集中はむしろ悪化しています。

  • 世界の富の半分以上を、上位1%の人間が所有

  • ビリオネア(億万長者)はパンデミック中にむしろ資産を増やした

  • 一方、下位50%の資産はほぼゼロかマイナス

→ グローバルに見ても、「全体が豊かに」ではなく「一部だけが豊かに」なっているのが実態


📢 結論:「数字は正しくても、現実はもっと複雑」

はい、確かに「極度の貧困」は減っています。
でもそれは、「貧困が終わった」という意味ではありません。

  • 貧困の“かたち”が変わっている(見えにくく、複雑に)

  • 貧困のリスクは依然として高い(気候・戦争・経済危機)

  • 富と機会の格差はむしろ拡大している

今日も読んでくださってありがとうございました😊

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