アフリカの「静かな資源戦争」―中国、ロシア、欧米が狙うもの

  

みなさん、こんにちは😊

今日はアフリカの資源の話をしていきます!

🌍 アフリカで起きている「静かな争奪戦」

表面的には支援や投資、パートナーシップの名のもとに展開されている国際協力。しかし、その裏ではアフリカの豊かな天然資源をめぐる争奪戦が、静かに、しかし確実に進んでいます。

アフリカは、21世紀の世界経済にとって、資源供給の「最後のフロンティア」と言われるほど注目されています。特に近年は、脱炭素社会への移行IT機器やEV(電気自動車)の普及により、コバルトやリチウム、レアアースといった鉱物資源の需要が急増。これに目をつけた中国、ロシア、そして欧米諸国が、それぞれ異なるアプローチでアフリカに接近しています。


💎 なぜアフリカが狙われるのか?資源の宝庫という現実

アフリカは以下のような戦略的資源を豊富に抱えています:

資源主な産出国用途
コバルトコンゴ民主共和国スマホ、EVのバッテリー
リチウムジンバブエ、マリEV、再生可能エネルギー蓄電池
レアアースマラウイ、タンザニア軍事技術、電子機器
石油・天然ガスナイジェリア、アンゴラ、モザンビーク燃料、発電
金・ダイヤモンド南アフリカ、ナミビア、セネガル金融資産、装飾
ウランニジェール、ナミビア原子力発電

とくにコンゴ民主共和国のコバルトは、世界生産量の60%以上を占め、EVやスマートフォンなど現代生活に欠かせない製品に直結しています。


🏗️ 中国:インフラと引き換えに資源を確保する「静かな帝国」

中国はアフリカ最大の貿易相手国であり、インフラ開発に巨額の投資を行ってきました。道路、港、鉄道、発電所、スタジアムなどを整備しつつ、長期的な資源供給契約を結ぶというスタイルが特徴です。

✔ 代表的な戦略:

  • 「一帯一路」構想の一環でアフリカを物流・資源供給の拠点化

  • 国家系企業(中国鉱業集団、中国建築など)が直接投資

  • **債務の罠外交(debt-trap diplomacy)**という批判も

✔ 具体例:

  • ザンビア:銅鉱山の採掘と鉄道整備を同時に実施

  • アンゴラ:石油と引き換えにインフラ整備ローンを供与

  • ジブチ:軍事基地設置と港湾整備をセットで実行

✔ 中国のアプローチの特徴:

  • **「干渉しない外交」**という名目で、政治的圧力をかけない姿勢

  • 一方で、不透明な契約や環境破壊、地元企業の締め出しも問題視されている


🔫 ロシア:民間軍事会社と鉱山利権の交換

ロシアのアフリカ戦略は、ある意味で最も「静か」で、しかし最も不透明とも言われています。国家ではなくワグネル・グループのような**民間軍事会社(PMC)**を通じて治安や軍事訓練を提供し、その見返りに金鉱山やダイヤモンド採掘の利権を手に入れるというスタイル。

✔ 主な事例:

  • 中央アフリカ共和国(CAR):治安維持の支援と金鉱山の権益を獲得

  • マリ:フランス撤退後にロシアが急接近し、ワグネルが治安支援

✔ ロシアの狙い:

  • 欧米の影響を排除し、自国勢力圏を構築

  • 資源確保と同時に国際的孤立を回避する外交カード

✔ 問題点:

  • ワグネルの関与による人権侵害の報告多数

  • 資源収奪の見返りとして、民主的統治や言論の自由が抑圧されるケースも


🌐 欧米諸国:かつての宗主国がいま再び?

かつて植民地支配をしていた欧州諸国も、資源確保のため再びアフリカに注目しています。特にフランス、イギリス、アメリカ、ドイツなどが、技術支援、経済協定、軍事支援を通じて関係を強化中です。

✔ フランス:

  • サヘル地域でのウラン利権(ニジェールなど)

  • 過去の軍事プレゼンスが反感を呼び、一部撤退へ

✔ アメリカ:

  • 対中戦略の一環としてリチウムやレアアース供給を確保

  • アフリカ軍との合同訓練や「クリーン・エネルギー支援」を展開

✔ EU:

  • 「グリーン移行」のために、アフリカ資源への依存度が高まる

  • その一方で、持続可能性や環境保護基準が障壁に


🤝 アフリカ側は「受け身」ではない

よくある誤解は「アフリカは搾取される側」という一方的な見方。しかし実際には、多くのアフリカ諸国は複数の大国とバランスをとる外交を展開しています。

✔ たとえば:

  • 南アフリカやナイジェリアはBRICS加盟国として中国・ロシアと連携

  • ルワンダはITや環境技術分野で欧米との協力を重視

  • モザンビークやセネガルは自国企業と外資の「共同開発」を模索中

また、アフリカ連合(AU)も近年は資源に関する透明性強化や地域協力の強化を推進しています。


🧠 結論:これは新たな「植民地化」か、それともパートナーシップか?

アフリカの資源を巡る争いは、単なる「経済の話」ではありません。民主主義、環境、国際秩序、そして人々の暮らしに大きな影響を与えます。

私たちが使うスマホの中の金属一粒に、コンゴの子どもが関わっているかもしれない。電気自動車のバッテリー一個の裏に、複数の大国の地政学的な駆け引きが隠れているかもしれないですね。

今日も読んでくださってありがとうございました😊

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