なぜアメリカは自国の石油を使わず中東にこだわるのか?


みなさん、こんにちは 😊

ニュースや歴史の授業で「アメリカは中東に深く関わってきた」と聞いたことはありませんか?
でも、ふと疑問に思いませんか?

「アメリカって自分の国にも石油があるのに、なんでわざわざ中東にこだわるの?」

この疑問には、地政学・経済・エネルギー安全保障などが複雑に絡み合っています。

今回はその裏側を、わかりやすくひもといてみましょう。


アメリカって石油持ってないの? → 実はめちゃくちゃある

まず前提として、アメリカには石油があります。しかもかなりの量。

特に2000年代以降は、「シェール革命」によって自国での石油・天然ガス生産が一気に増加
現在では、アメリカは世界最大級の産油国にまで成長しています。

✔ シェールオイル:岩の中に閉じ込められた石油を特殊技術で採掘
✔ これにより、アメリカは2019年に“エネルギー輸出国”に転換!

じゃあやっぱり中東なんて無視して、自分の石油だけ使えばいいんじゃないの?
……そう思いますよね?

でも、現実はそう単純ではありません。


🌍 中東へのこだわりの理由①:世界経済の心臓を握る場所だから

中東、特にペルシャ湾周辺は、世界最大の石油埋蔵量を誇る地域です。
サウジアラビア・イラン・イラク・クウェート・UAEなどが集まるこの地域は、**“世界のガソリンスタンド”**とも呼ばれています。

さらに、世界の原油の約20%が通る「ホルムズ海峡」というチョークポイントもこのエリアに。

つまり、

🌐 中東が不安定になると → 石油価格が世界中で高騰
💸 結果、アメリカ経済も打撃を受ける!

アメリカは「自分のためだけじゃなく、世界経済の安定のために」中東に関わり続けてきたのです。


🛢️ 中東へのこだわりの理由②:「ドル」の力を守るため

あまり知られていませんが、アメリカの本当の強さの一つは「ドルが世界の通貨であること」。

石油は基本的に「ドル」で取引されます。これを**「ペトロダラー体制」**と言います。

中東の国々が石油を売る → ドルを得る → それをまたアメリカの国債や武器に使う
アメリカは刷ったドルで世界中から資源を買える → 強い!

この“ドルによる石油支配”を守るためにも、中東の安定とドル体制の維持は重要なんです。


💼 中東へのこだわりの理由③:武器ビジネスと安全保障

中東は「巨大な武器市場」でもあります。
アメリカは中東諸国に年間数兆円規模の兵器を輸出しています。

また、イラン・シリア・テロ組織など“敵”が多い中東では、アメリカは**「守ってあげる代わりに影響力を持つ」**という戦略を展開中。

サウジやUAE:「イランが怖い…アメリカさん守って」
アメリカ:「OK。でもその代わり、ドルで石油売ってね。武器も買ってね」

このように、中東への“介入”は、単なる石油だけでなく、軍事・外交・経済戦略が複雑に絡んでいます。


🧊 じゃあアメリカの石油はどうしてるの?

実はアメリカは、自国の石油をすぐに消費せず、“エネルギー貯金”のように温存する戦略をとることもあります。

  • 将来の価格変動に備える

  • 非常時(戦争・災害など)に備える

  • 外貨を稼ぐために輸出する(近年は輸出国に)

一方で、中東の石油は他国に“消費させて”、**自分の石油は「最後の切り札」**として残しておく考え方もあります。


📉 しかし、最近は中東離れも?

ここ数年、アメリカは徐々に「中東から手を引く」動きを見せています。

  • シェール革命でエネルギー自立が進んだ

  • アフガン戦争やイラク戦争の反省から、軍事介入に慎重に

  • 中国への対抗に軸を移す(インド太平洋重視へ)

ただし、中東が完全にどうでもよくなったわけではありません。
「いつでも戻れるポジション」を確保しつつ、少し距離を取っているのが現状です。


✍️ まとめ:エネルギー戦略=外交戦略

アメリカが中東にこだわってきたのは、単に石油を買うためではなく――

🌍 世界経済を安定させるため
💵 ドルの力を維持するため
🛡️ 地域の安全保障とビジネスをコントロールするため

という、“国力そのもの”を支えるための戦略的選択だったのです。

今後、再生可能エネルギーが普及しても、中東の地政学的重要性はすぐには消えないでしょう。

今日も読んでくださってありがとうございました 😊

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